Happy Pet Life

Vol.2《フィラリア予防》感染したわんちゃんに完治はない!?


犬の病気の中で最も恐ろしいフィラリア症
現代よほどの重症でない限り“治る”と言われていますが、それは寄生虫の寄生症のことです。寄生虫に食い荒らされた心臓は元の状態には戻らず、心臓病を抱えて生きなくてはならないのです。
ただし、きちんと予防さえすればほぼ100%防げる病気なのです。
正しい知識を持ってきちんとした対処で愛犬を守ってあげてください。

2008/06/16

フィラリア(filaria)とは?

犬糸状虫という蚊の媒介により犬の心臓や肺の血管に寄生し、血液中の栄養分を吸って生きる寄生虫です。
体長約250ミクロンのフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が蚊と犬の体内で数回の脱皮をし、成長して体長12〜30㎝、体幅1〜2㎜もの白乳色のそうめんのような成虫となります。
犬だけでなく、猫やまれに人にも感染することがあります。
人間の場合は、白血球がフィラリアを撃退してくれるので、めったなことでは人体で成長することはないのです。

感染のしくみ

①フィラリアに感染した犬(A)の血液中には1期幼虫(ミクロフィラリア)がたくさんいます。(A)の血液を吸血し蚊の体内に入ります。
②蚊の体内で約2週間で3期幼虫/感染幼虫(体長約1㎜)と成長します。この時の気温は15℃以下では成長しないそうです。
③3期幼虫を持った蚊が非感染犬(B)の吸血時に吸血した穴などから体内に侵入します。④(B)の体内に侵入した3期幼虫は皮下組織や筋肉、脂肪などで約2ヶ月で2回脱皮し、5期幼虫(体長約3〜11㎝)となります。
⑤5期幼虫は静脈内へ侵入し、血液の流れに乗って肺動脈に移動し、成虫となり、雌のフィラリア成虫は1期幼虫(ミクロフィラリア)を産みます。
非感染犬だった(B)は感染犬となります。

フィラリア症の症状

フィラリア症とは成虫が心臓に達したことを言います。
寄生数が少ない軽度の場合や感染当初は特に変化は見られません。
寄生数が増えていくと物が詰まったような咳をしたり、呼吸が荒くなったりします。
慢性化すると、咳も激しくなり血尿や嘔吐といった症状が現れます。
さらに進行すると、胸水や腹水が貯まってお腹が腫れる、失神するなどの症状が続きます(慢性フィラリア症という)そしてこのような症状が急激に現れ、激しい呼吸困難が起きて動けなくなる場合もあります(急性フィラリア症という)

予防と対策

犬の病気で最も有名で恐ろしいフィラリア症、なんの予防もしなければ一夏で80%に感染率との報告もあるが、飼い主の正しい知識と対策で予防できる病気です。
フィラリアの予防といっても蚊に刺されないようにするものではなく、蚊の好発時期に予防薬を投与するのです。
予防期間は、通常蚊の発生後1ヵ月から蚊が見られなくなった後、1ヵ月となっていますが年ごとに異なり地域の状況に応じて変動されている。
香川県では5月から12月となっているそうです。
ただし、近年の地球温暖化の問題や100%の予防を考えると1年中投与する時代がやってくるのではないでしょうか。

フィラリア予防薬

予防薬とは犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫を、心臓に寄生してしまう前に駆除する薬の事で、正確には予防薬でなく駆虫薬です。
予防薬には内服薬と注射があります。
一般的に多いのは内服薬(1ヵ月に1回飲ませるタイプ)です。
錠剤、粉末、チュアブルタイプそして首の後ろに垂らす外服薬とタイプもさまざまなので愛犬の好みなどに合わせて選べます。

ここでとっても大切な注意点があります。

内服薬を飲ませる前に、犬がフィラリア症に感染していた場合、それとは知らず内服薬を飲ませてしまうのはとっても危険です。
なぜなら、心臓に住みついているフィラリアが一気に死んでしまい、その死体が血管につまって血流が止まってしまうなど、急性の症状が出る恐れがあります。
毎年予防薬を使う時には必ず事前に血液検査をして、フィラリアに感染していないか確かめることが重要です。
検査をすると毎年フィラリア症に感染しているワンちゃんが何頭かいます。
必要な予防期間を中断したり、飼い主が見ていないところで薬を吐き出すワンちゃんが残念ながらいるためでしょう。皆さん、しっかり予防しましょう。

予防期間に飲ませ忘れた場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。

情報提供にご協力してくださったのは西野威獣医師でした。